FXと円高
外貨預金をした経験のある人であれば「円高・ドル安」と聞くとムズムズしてくるかも知れません。FX(外国為替証拠金取引)とは異なり、外貨預金では常に外貨を安く買うことからしかポジションを持つことができないからです。円高で、外貨が安くなっている時には米ドルにかかわらず、ポンド、ユーロなども積極的に買われます。そして円高のピークが一段落して、上昇トレンドに入ってから買っておいた米ドルなどを売った差額分が利益となります。外貨預金は非常にシンプルな仕組みなので初心者の人でも取り付きやすいようです。
しかししばらく外貨預金などで「小金」を貯めていると自然にFXへの興味がわいてくるものです。外貨預金で1万円の儲けが出たとして、同じことをレバレッジを効かせてFXで行っていたらどうでしょう。FXでレバレッジを設定しておけば当然利益も大きく、10倍や50倍となって返ってきます。
外貨預金では1万円の儲けがFXなら50万円になる、もうそれだけでFXの魅力に取り付かれてしまいます。またFXには外貨預金にはない非常に魅力的な注文方法がいくつもあります。しかしこうした注文方法にもある程度のリスクはつきものです。
円高とは円が相対的に外貨よりも高くなることを言います。例えば昨日は1米ドルが100円で、今日1米ドルが90円で買えたとすると1日で10円も円高になったことになります(実際には一夜でこれほど大きく円高になることはありませんが)。為替の世界では円や米ドルなど全ての通貨の相場は常に変動しています。円安・円高の動向を見極めることはリスクの少ないFX取引を行う上で最初に行うべきことです。
FXと円高の関係
FXにできて外貨預金にはできないことと言うのはたくさんありますが、外貨預金が必ず外貨の「買い」から入るのに対して、FXでは「売り」から入ることも可能だというのは、外貨預金に慣れた方にとって意外と理解することが難しいようです。
このFXの売りから入るポジションの取り方は株式市場などでは「空売り」と呼ばれるおなじみの手法ですが、流れとしては「FX業者から外貨を借りる」→「借りた外貨を売る」→「円高になる」→「売った外貨を買い戻す」→「FX業者に外貨を返す」と言う流れになります。さらに例をあげてもっとわかりやすく説明しましょう。
1米ドルが100円の時に1000ドル分を空売りしてFX業者から外貨を借りて売ります。100×1000=10万円が自分の懐に入ります。しばらく放置して1米ドルが100円から90円に下がるまで、つまり円高になった時を見計らって先ほどの1000ドルを買い戻します。買い戻すためには90×100=9万円が必要です。
つまりFXなら10万円-9万円=1万円分を、円高になった時でも利益としてあげることが可能となるのです。どうでしょうか、うまく感じがつかめたでしょうか。
FXはこのように円高・円安のどちらの局面からでも利益を出せると言う柔軟性があります。つまりFXに投資する場合には最初のポジションを持つにあたって「好機を待つ」必要は無く、円高・円安のどちらからでも始めることが可能となるのです。これまで外貨預金しか行ったことが無いというような人はぜひ一度チャレンジしてみると良いでしょう。
FXと円高の歴史
FXを行うにあたって相場が円高であるのか円安であるのかは重要なポイントです。為替相場は常に様々な理由で激しく変化し続けています。為替の相場に影響を与える大きな要因としては、まずは戦争や大規模なテロ行為、バブルなどの崩壊などがあげられます。また地震や津波などの大災害、干ばつなどによる農作物の収穫高の変化、あるいは現在では基準通貨となっているアメリカの経済関連の各機関から定期的に発表される雇用指数や住宅着工指数などは、発表されたとたんに1~2円も乱高下するほどの大きな影響力を持っています。
またFXで気になることの一つとして、こうした外部要因による為替の変動以外にも、政府による為替への介入などは充分に注意しなければなりません。日本は世界でもトップの外貨準備高を誇る国ですが、そのほとんどを米ドルで所有しています。そのため円高傾向がエスカレートして米ドル安となってしまうと外貨準備高そのものが大幅に目減りしてしまうことになります。そこで今以上に円高が進み、米ドルが下落しないように大量の米ドルを政府が買い付けて米ドルの下落を下支えします。これが政府による為替の介入と言うものです。
このように為替の変動は外的な要因や内部の操作によって日々変動します。FXの取引を行う上で現在が円高のトレンドとなっているのか、あるいは円安のトレンドとなっているのか、そろそろピークを打って状況が変わりつつあるのかなども充分に注意しておく必要があります。またせっかくFXを行うのであればクロス円の円を中心とした取引ばかりではなく、外貨同士のペアによるポジションなどを持ってみるのも非常に良い勉強になります。